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MB-022『病めるときも』 文庫本 [ 角川文庫 ]
藤村明子は「健やかなる時も、病めるときも」愛するという結婚式の誓いにより、精神病の夫克彦、夫が女中に産ませた障害児雪夫と共に生きてゆこうとする。名作「井戸」「足」「奈落の声」などを含む初期短編小説集。
「井戸」
末期癌の君枝は激痛の中「痛いっていいことなのよ」と語るが、加代は愛する教え子を死なせた痛みに向き合えず何人もの愛人を持ち悲劇に向かってゆく。人間であることの条件としての“痛み”を描く三浦綾子初の短篇。
オール読物1965年10月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月
「足」
結核療養所の美津江は同室の少女霧子が妻子ある男に会いに行くのを心配し諫めるが、霧子は自分の足を制することが出来ず妊娠するに至る。愛に飢え罪と共に成長してゆくいのちである人間を慈しみと祈りをこめて描く。
オール読物1966年2月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月
「羽音」
わがままな妻に悩まされる堀川慎二は思いやり深い石井律子に出会い惹かれるが、律子は慎二の前から姿を消す。いのちを育てる巣である家庭の礎としての結婚と、その尊厳の前に自己中心な愛を葬る心のドラマを描く佳篇。
小説女性1969年7月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月
「奈落の声」
旅の一座の子清志は炭鉱町の小学校で一日だけの担任真樹子先生との触れ合いを経験するが、思いがけず泥棒扱いされ絶望して失踪した母を呼ぶ。居場所を失った魂の叫びを聴く耳はあるのか。教師時代の体験を基にした作。
小説宝石1969年4月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月
「どす黝き流れの中より」
幼時樺太で家族と生き別れになった美津子は、彼女をさらった養父母に大事に育てられたが、家族に再会して実家に戻ると、夫は金と肉の欲に巻き込まれ変貌してしまう。愛する人が立ち返るのを待ち続ける純粋な心を描く。
小説宝石1968年11月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月
「病めるときも」
クリスチャン家庭に育った藤村明子は「健やかなる時も、病めるときも」愛するという結婚式の誓いに従い、精神病の夫克彦、夫が女中に産ませた障害児雪夫と共に生きてゆこうとする。結婚の本質である約束の尊さを問う。
別冊デラックス女性自身1968年7月
出版 … 『病めるときも』朝日新聞社1969年10月